“サービスブランディング―「おもてなし」を仕組みに変える”(著:博報堂ブランドコンサルティング)
過去に、装丁のみを基準にBOOKOFFで購入(いわゆる“ジャケ買い”である)、その後積読→現在、必要に迫られて今まさに読み切った、という有様。 医療経営におけるサービスブランディング、という視点でどのような枠組みを考えれば良いか?を知りたかったのと、ではどのような検討プロセスで組織内を動かしていけば良いのか?を知りたかった。 前者は十分であったものの、後者はケーススタディの事例が成功結果しか述べておらず、実践的なシナリオの参考にできないものばかりだったため、不十分であると言わざるを得ない。 つまるところ、ブランドは生活者・消費者との約束であり宣言であり、そこには一貫性が必要で云々…みたいな話ではあるが、そこで考えるべきポイントを抜け漏れなく考える枠組みと、そのプロセスが欲しかったのだ。 本書ではある程度の大まかな枠組みを序盤にさらった後、事例に基づき幾つかのビジネス種別に類型化してその枠組みの有効性の説明を試みる。が、これが全然頭に入ってこない。成功事例の結果がつらつらと並べられ、まるで3分クッキングの「で、完成品がこちらになります」的な説明ばかり。 とはいえ、その序盤のおさらいと最終章のまとめには、使えるフレームワークが幾つか見付けられたので、自組織に援用できそうではある。特に、従業員満足度が顧客満足度につながり、それらが収入を生み出している―という趣旨の構造を、バリューチェーンというフレームワークに置き換えて、細かくその因果関係を表現していたチャートが一番良かった。これは使おう。 ということで、助かった。