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“星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則”(著:中沢 康彦)

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きっかけは、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』。いつか読みたい、と思っていた。 ニッチ戦略は、大きな市場でフォロワーになるのではなく、顧客、品質、価格、サービスを絞り込んだ小さな市場でトップに立つ戦略を立てる。 アクセスを高めるためには、お客様との関係を3段階に分けて考える。 第1段階では、お客様が急いでいるときに、スピーディーに買うことのできるサービスと情報を提供する。 第2段階では、「ボタン1つで買える」など、お客様が使い勝手よくアクセスができるようにする。 第3段階では、お客様に対して「今こういうものを買ってはいかがですか」などの提案をする。 ブランドの価値を決める要素は次の5つ。特に、知覚品質(体験価値)を大切にする。品質が上がっているのか、下がっているのか。それは何故なのかを、客観的事実を踏まえて詳らかにする。 認知=どれだけ知られているか 知覚品質=お客様がどのように感じるか 連想=ブランドについて思い浮かべること ロイヤルティ=リピーターとなってくれるかどうか 他のブランド資産=トレードマークなど

”プロジェクト・デザイン・パターン 企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32”(著:井庭 崇、梶原 文生)

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本書では、日本初とも言われるデザインホテル「クラスカ」などを手がけるUDS株式会社を牽引してきた梶原文生氏が長年プロジェクトを通して培ってきた「企画のコツ」を、井庭崇氏の専門である「パターン・ランゲージ」の手法にもとづき32のパターンに分類し、具体的な事例とともにわかりやすく紹介したものです。 パターン・ランゲージとは、一言で言うと「良いデザインや良い実践の秘訣を共有するための方法」のことです。建築家クリストファー・アレグザンダーが考案したこの方法論は、建築分野だけでなく、ソフトウェア、デザイン、ビジネスプロジェクトの多くに適用されています。  企画の携わるすべての方にとって、現場で役立つ「画期的な企画」のコツを言語化してまとめています。何十から何百にのぼるプロジェクトの経験則を言語化し、その共通パターンをあぶり出して名前を付けるパターン・ランゲージの手法を用い、企画を立てる際に意識すべきポイントを32個のパターンにまとめ紹介しています。「企画のコツ」をまとめるのはパターン・ランゲージの世界でも初めての取り組みとなります。(本書より) きっかけは、ひたすら企画を作っていく中で、もっと効率を重視できないだろうか。そして、共通言語的に企画作りのプロセスを他者に伝えて分業できないだろうか。できれば、フレームワークとして「こういう問いひとつひとつに答えていけば、一定水準の企画ができる」という手順書ができないだろうか。という想いから。 すべてのパターン・ランゲージは、状況/問題/解決/結果という形式で書かれる。状況は、目的と読み替えても良いかもしれない。 「徹底リスト」「考えるための点数化」「基本の価値」「ひとことで言う」「未来を織り込む」。これらのパターン・ランゲージが特に参考になった。 誰のための企画なのか?これを突き詰めて考える。その前提があってこそ、企画を大きくする意義が出てくる。「考えるための点数化」をする際にも、評価軸の重み付けに議論のポイントを持ってくることが大切。

生きがいについて(著:神谷美恵子)

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がんばりたくてもがんばれない人がいるのに、生きたくても自分より早くに亡くなってしまう人だっているのに、がんばれる自分は、どうしてもっとがんばらないのか。と思うと、うしろめたい気持ちばかりが、募る。 終末期の子どもとその御家族の話を聴く度、「俺は何をしているんだろう」と思う。生きていること、そのものが、罪悪感をともなったものになる。 自分はただの事務員なので、直接彼らのことを支えられるわけではない。だから、本人たちの声と医療従事者らの声をあつめて、何かしらの企画を実践していくことを繰り返すだけだ。企画のために必要な調査・分析も、実践も、投資対効果を追求した情報発信も、自分にならできると。独り善がりに、思い込んでいるからだ。 神谷美恵子「生きがいについて」では、下記のものを挙げている。 生存実存感への欲求をみたすもの:審美的観照(自然、芸術その他)、あそび、スポーツ、趣味的活動、日常生活のささやかなよろこび 変化と成長への欲求をみたすもの:学問、旅行、登山、冒険など 未来性への欲求をみたすもの:種々の生活目標、夢、野心 反響への欲求をみたすもの:共感や友情や愛の交流、優越または支配によって他人から尊敬や名誉や服従をうけること、服従と奉仕によって他人から必要とされること 自由への欲求をみたすもの:自分の考え、感情、思いに基づいて自由に行動したい、という自発性 自己実現への欲求をみたすもの:特殊な才能をもって文化の各方面に独特な貢献をする「創造のよろこび」 意味への欲求をみたすもの:自分の存在意義の感じられるようなあらゆる仕事や使命 自分は、どうだろうか。恐らく、「自由への欲求をみたすもの」。 仕事に向かわせるのは、罪悪感と自己顕示欲とが綯い交ぜになった、自由への欲求。罪悪感、自己顕示欲から自由になりたいと願う、うしろめたさが、今日の自分を支えている。