就職活動中の方のための厳選書籍5冊(基礎編)

就職活動をしている学生の方と話す機会が最近しばしばあったので、ここで「今、推薦するならば?」という問いに応えられる書籍たちを、一度棚卸ししようと思い立った。

という訳で、下記の書籍を読むことをお薦めします。なるべく読みやすい新書を中心に選びました。

20代のための「キャリア」と「仕事」入門 (著:塩野 誠)


著者の塩野 誠さんは、経営共創基盤のパートナー。凄まじいキャリア経歴の持ち主で、昔ライブドアでは、ライブドア証券取締役副社長としてニッポン放送買収案件を担当したこともあったそうだ。

本では、一問一答形式で様々な“キャリア”“仕事”にまつわるトークが、全体俯瞰的でフラットな視点から語られる。尚、塩野さんは東洋経済オンラインで同様の連載を継続中。こちらも歯に衣着せずな文体で、非常に面白いです。

キャリア相談:君の仕事に明日はあるか? | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

私とは何か――「個人」から「分人」へ(著:平野 啓一郎)


本書は、芥川賞作家である彼の最新作「空白を満たしなさい」で結実した、『分人思想』を一般向けに分かりやすくまとめた本だ。

ざっくり分人思想を説明すると、“一人の人間には、色々な顔がある。つまり、複数の個人(≒分人)を抱えている。そのすべてが〈本当の自分〉であり、人間の個性とは、その複数の分人の構成比率のことである”というもの。学問の世界では、役割的性格/社会的性格、という名称で言われてきた概念でもある。

自分にはいろいろな顔がある。それでは、どんな顔の自分を採用してほしいのか?そんな発想で、自由な自己PRというものを空想してみてはどうでしょう。

疲れすぎて眠れぬ夜のために(著:内田樹)


本書は、社会的・文化的な存在としての人の生きづらさを説明しつつ、筆者と読者との答え合わせをするような内容となっている。

女性にとっては、親子関係とセックス・ジェンダー論の関係性についての記述に、「そうかも」と考えさせられるところがあるのでは?と、男の僕はテキトーに思ったりしてます。

就職活動って、何かと疲れるじゃないですか。学位論文出さなきゃいけないのに研究室休んだり、しんどくても企業説明会に出たり、周りが自分より早く内々定もらってて焦ったり。誰かと会うことすら億劫な夜は、ゆっくり喫茶店でこんな本を読んでみるのはどうでしょう。

僕は君たちに武器を配りたい(著:瀧本 哲史)


本書は、「就職活動ランキングの企業は落ち目」「日経新聞を鵜呑みにするな」という、最早ありふれた主張のための本ではない。また、武器の中身は“教養”という、目に見えないもので、この本で具体例が挙げられることもほとんどない、という…読む前の読者の期待値が高すぎると、何とも何ともな内容ではある。

むしろ大切な内容は、(著者が武器と称する)“教養”というものが一体何で、それがどう人生に必要になってくるのか?という視座である。

これを、強者の論理と断じることは簡単だが、しかし単純に「人生を豊かに生きる」術だと思えば、そんなに難しい話ではないだろう。

ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング(著:赤羽 雄二)


最後はこの本。くわしくは、こちらでレビューしているのですが。再度挙げます。

最近、梅棹 忠夫さんの知的生産の技術 (岩波新書)を読んだのですが、この本は梅棹さんの思想を現代風・実務風に見直して書かれた本、とも取れると思われます。

具体的には、赤羽さんの言う「書き出す」という行為には、梅棹さんの言う「かんがえをまとめる」と「じっさいにかきあらわす」という二つの段階を取る、という思想にプロセスとその根拠が類似しており、同様の主張であると考えられるからです。

悩み、というものを超えていくために。ぜひどうぞ。


という訳で。これらの本を、学生の皆さんが就職活動を乗り切る一助としてくれればと思ってます。よかったらどうぞー

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