“採用基準”(著:伊賀 泰代)
内容には全然関係ないんすけど。こうした“これからの正義の話をしよう”的な装丁、ずっと流行としてありますよね。何なんすかね。装丁界では、ミニマリズムの潮流が来ているのでしょうかね。それとも、「まあ、なんてったってサンデルですし。凝った装丁で出版するよりは、平積みにした時に目を引きますし。なんてったってサンデルですし。兎にも角にも、タイトル・帯の文字の読みやすくて印象的なこのデザインがお薦めっすよマジで」とでも編集者が薦めているのでしょうかね。何なんすかね。
さてと。著者は、マッキンゼーの採用マネジャーを12年務めた伊賀泰代氏。独自にジョブ・ディスクリプションを書き、当時のパートナークラスに掛け合い「採用マネージャー」という新たなジョブを作り出し昇進した経験、及びその後マッキンゼーの採用マネージャーを務めた経験を基に書かれた本である。
本書は、マッキンゼーの採用基準についての話をフィルターに、今後の人材市場で必要なリーダシップ人材とは何かを論じている。表題と内容は、全然、というと言い過ぎかもしれないが、ほとんど関係がないと言ってよい。
内容をサマリすると、下記の様な内容である。
仕組みとしてリーダーシップを啓蒙・啓発する様な組織を作るため、研修や企業文化に一貫して「リーダーシップとはかくたるべき」というビジョンを持っていることがすばらしいと思った。このような仕組みを企業が育むことは、ほんとうに難しいことだと思うからだ。数多の企業で「存在するだけで効果的に使われたことのない社内制度」が世の中に死屍累々の山を築いている現状を考えれば、その困難さは容易に想像の付くことだろう。
個人的には、第一章「誤解される(マッキンゼーの)採用基準」で書かれた、下記2点の内容が特に印象に残った。
「誰しもが目指したくなるような」to be像を描く思考と、そのto be像を実現するために必要な仕組み・ステップへと因数分解する思考。これからの仕事に向き合う上で、気を付けていきたい。
僕も、早くリーダーシップを発揮して、ポジションの取れる人材にならないとですね。
そんじゃーね。
【NOTE】
さてと。著者は、マッキンゼーの採用マネジャーを12年務めた伊賀泰代氏。独自にジョブ・ディスクリプションを書き、当時のパートナークラスに掛け合い「採用マネージャー」という新たなジョブを作り出し昇進した経験、及びその後マッキンゼーの採用マネージャーを務めた経験を基に書かれた本である。
本書は、マッキンゼーの採用基準についての話をフィルターに、今後の人材市場で必要なリーダシップ人材とは何かを論じている。表題と内容は、全然、というと言い過ぎかもしれないが、ほとんど関係がないと言ってよい。
内容をサマリすると、下記の様な内容である。
- マッキンゼーが採用時に求める資質とは、①リーダーシップがあること②地頭がいいこと③英語ができることの3つ。
- リーダーシップとは、成果にコミットすることであって、ただの出しゃばりや言いだしっぺではない。目標を掲げ、先頭を走り、意思決定において責任を取る(=“ポジションを取る”)ということなのだ。
- 「みんなでやるより、自分一人で集中して取り組んだ方が高い成果が出る」と思うことなく、チームの成果を最大化することに専念し、自分含めた個々人がその成果にオーナーシップを持ってどう貢献したか?という視点で仕事をする仕組み作りこそが、リーダーの仕事である。
仕組みとしてリーダーシップを啓蒙・啓発する様な組織を作るため、研修や企業文化に一貫して「リーダーシップとはかくたるべき」というビジョンを持っていることがすばらしいと思った。このような仕組みを企業が育むことは、ほんとうに難しいことだと思うからだ。数多の企業で「存在するだけで効果的に使われたことのない社内制度」が世の中に死屍累々の山を築いている現状を考えれば、その困難さは容易に想像の付くことだろう。
個人的には、第一章「誤解される(マッキンゼーの)採用基準」で書かれた、下記2点の内容が特に印象に残った。
- 現状を分析して、その事実を裏返しただけの処方箋にバリューは無い。「今は存在しない世界」ををゼロからイメージして組み上げる“構築型”思考が求められる。
- 先述の構築型の能力とは、「独自性があり、実現した時のインパクトが極めて大きな仮説を立てる能力」(仮説構築能力)であり、「ゼロから、新しい提案の全体像を描く構想力や設計力」である。
「誰しもが目指したくなるような」to be像を描く思考と、そのto be像を実現するために必要な仕組み・ステップへと因数分解する思考。これからの仕事に向き合う上で、気を付けていきたい。
僕も、早くリーダーシップを発揮して、ポジションの取れる人材にならないとですね。
そんじゃーね。
【NOTE】
- 能力の高い人より、これから伸びる人:必死に挑戦しなければ達成できない仕事、自分の実力を超えた仕事をしている人は、「きちんと結果を出すべき重要な仕事」と「時間を掛けるべきではないインパクトの低い仕事」を分け、優先度を付けて取り組むクセを付けている。
- 一方、全力を出し切らなくてもできる仕事、「重箱の隅をつつく様な」仕事を何年も続けてしまうと、知らず知らずの内に保守的になり、視点が低くなる。こうなってしまうと、その人の成長カーブはフラットなものとなってしまい、これから伸びる人にはならない。
- ”学びの臨戦態勢”を持とう―貪欲に、自分の頭で考えることを、止めない。
- 貧しい時代には自助と伝統的な共助(町内会や農業共同体などでの助け合い)が基本だったが、経済が発展すると自助・共助のベースとなる関係性が解体する一方で公助が充実する。しかし、最近はどこの先進国も、高齢化と財政難によりこれ以上の拡大は困難であるため、新しいタイプの共助(ボランティア、NPO、SNSコミュニティなど)が求められている。
- リーダーシップの総量の不足している国では、公助への負担が大きくなり続け、いつか財政破綻に追い込まれてしまう。
- 我が国では、リーダーシップを持って共助の仕組みを自然発生的に生み出すような社会、それを作り出すリーダーシップ人材が求められている。
- 自助:個々人ががんばって自分や自分の家族に必要なものを確保すること。
- 共助:ご近所などコミュニティで助け合うこと。
- 公助:国の制度によって、助けが必要な人を支援すること。