“影響力の武器――なぜ、人は動かされるのか(著・Cialdini,Robert B)”とクラウドファンディング

初めは「クラウドファンディング徒然草」というタイトルだけ考えて、後は自分で何とか書いてみよう、と思い立った。何にも考えていなかったので、「考えていない」という状態で書き続けている。が、もう思い付いたのでタイトルを変更、クラウドファンディングに纏わる幾つかのTipsを、ここに。

何故、クラウドファンディングでなければならないのか?


「クラウドファンディングじゃなきゃ寄附あつめなんてできない」という訳じゃないのに、じゃあ何故やろうとするのか。という疑問。まずは、クラウドファンディングの仕組みと特長を因数分解してみることにした。

クラウドファンディングと影響力の武器

“影響力の武器――なぜ、人は動かされるのか(著・Cialdini,Robert B)”という書籍がある。これを下地に、先述の事項は考えてみた。こうして全体像を踏まえ、自分の現状を見つめ直すと良い。問うべきは、下記のとおり。

  • これらの事項を実現することが目標達成のために必要(Must/Nice to Have)かどうか?
  • 他の手段で実現できないかどうか?その時、何を犠牲にすることになり、何がより良いものとなるか?
  • クラウドファンディングの中で、どのサービスを採用すべきか?

一点目は、そもそもの問い掛け。Mustなのか、Nice to Haveなのか、という視点で色分けしてみるとより解像度が上がると思われる。

二点目は、いつも自分でも考えることがある。「クラウドファンディングでなければこれは無理」という事項は幾つか思い浮かぶのだが、それらがMustなのかどうか、というのは悩ましい。「あればあったで、嬉しいんだけど…」という気持ちも残る。

自前の手法を駆使すれば、たとえばリアルタイムに反映される達成率は多少のタイムラグがあったとしても実現できるし、他の事項についても努力次第で既存のクラウドファンディングのサービス以上のものを実現できる可能性があるかもしれない。

ただし、”各種サービスの既存ユーザーに情報発信できる”ことと、”クレジットカード、銀行振り込みなどの寄附経路の豊富さ・寄附のしやすさ”という二点については、自前でどんな手法を使ったとしても敵わないポイントになってしまうかもしれない。幾らか先行投資をしてシステムを整備している団体・組織であれば話は違ってくるが、そうした環境を持っているところは多くはないはずだからだ。

最終的には、テーマだったり、寄附あつめへの事業からの期待値だったり…という事業環境から、クラウドファンディングを採用するのかどうかを判断すると良いのかもしれない。

最後の三点目は、次の段落で詳しく論ずる。

クラウドファンディングの各種サービス一覧


クラウドファンディングの各種サービス一覧(2017年9月現在)

他にもテーマを限定したり、ポータルサイトを持っていたり、投資型のものがあったり海外のものがあったりと様々ではあるが、まずは国内のサービスで現時点において(自分の中で)比較・検討の俎上に上がったものを一覧にした。

この中でも、特に留意すべきは”寄附型”という方式。これにより、特定公益増進法人であれば税額の控除の効く寄附が可能になる。「税金対策としての寄附」というものを検討している潜在的な寄附者にはベネフィットが有るため、ご自身が可能であればこの方式を採用したい。

また、医療機関では研究開発に取り組む施設もあるだろう。そこではacademistのような研究費獲得特化型のサービスを採用することを検討してみても良い。臨床研究は他の基礎研究と比して社会的意義が分かりやすく、他のプロジェクトとの差別化の図りやすいテーマだろうし、その進捗が『見える化』される、というところに大きな期待が寄せられるだろうことは想像に容易い。

プロジェクトオーナーとしては、手数料のところが気になるものだが、ここへの期待値――何故、この手数料を支払うのか?何を、このサービスに期待するのか?――というところは予め握っておくと良いだろう。

クラウドファンディングの影響力をさらに持たせるのは

ビジョン・目標、そしてロードマップの見せ方だと考えている。つまり、寄附の先に「いつ」「どこに」「誰が・何が」あるのか、という問い掛けへの答えである。これができていれば、先述のクラウドファンディングの仕組みと特長のどのポイントであっても、より大きくすることができるのではないだろうか。

“影響力の武器”にあるものの、今回は取り上げなかった影響力も含めて考えてみる。

返報性のルールとしては、深く「恩」を感じている人に情報を波及させることが必要になる。その時、既に事業をしていたりする組織・団体はアドバンテージがある。これまでのお客様や患者さんらに支援をお願いすることができるからだ。

好意の影響力としては、たとえばプロジェクトオーナーの写真が笑顔だったり、実際の利用者の表情が明るかったりすることが求められる。これだけでも、印象は大きく変わるのだから、しない訳にはいかないだろう。

また、権威の影響力は、この共感の時代には必ずしも必要ではないように思うが、有るに越したことはないのかもしれない。ただ、身の丈に合った権威でなければ、逆効果で胡散臭さが残るリスクもある。

なお、一見 社会的証明と権威とは、対になる概念のような気がする。個人的には、社会的証明の影響力をより大きなものとしたい。クラウドファンディングであったり、数あるWebサービスは、権威や権力を持たぬ者たちのもので有って欲しいと、(半官贔屓に)思うからである。

何を約束して、何が実現するのか。支援する者としては、その意義が大きなものであればあるほど、価値のある寄附だったと実感することができる。そうしたプロジェクトを、今後も考案していきたい。

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